研究内容(公募前期)
A02 臨界期の操作・再開と脳傷害後の臨界期のメカニズム
研究項目 | A02 | |
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研究課題 | シナプスタンパク質の生物学的相分離の操作による可塑性、臨界期誘導法の開発 | |
研究代表者 | 氏名 | 実吉 岳郎 |
機関 | 京都大学・大学院医学研究科 | |
専門分野 | 神経細胞生物学 | |
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研究の目的 | 記憶の保持にはシナプス内での分子活性や状態を長期間維持するしくみが必要である。このしくみは、柔軟なシナプス可塑性とは異なり、堅牢な記憶保持メカニズムである。細胞内タンパク質の自発的な濃縮機構である液–液相分離(LLPS)において形成される濃縮相は、特定の分子が相の内外を自由に行き来しつつ維持される。つまりLLPSにより保持される情報は、長期間維持される「記憶の分子実体」としての性質を備えている。私は、臨界期をシナプス可塑性が高まる時期であると捉えると、記憶の分子実体であるLLPSを解除できれば、シナプスレベルでの臨界期を再誘導できるとの発想を得た。しかし、この考えを直接検証するLLPSを特異的に操作する試薬、分子プローブは存在しない。そこで本研究では、記憶維持におけるLLPSを標的にした小分子化合物やペプチドをスクリーニングし、臨界期の誘導を通じた「脳の若返り」を可能にする技術を開発する。 |